ちびっこコンサートとは。
" 音楽はきちんと聴くもの。
静かに聴くもの。
間違えずに演奏するもの。"
いつしか、そんなことを守らないといけない呪縛が世の中にある様に感じて、ソ
ルフェージスクールはこんな自由なのにと、思うことがありました。
そんな時にスクールの津布楽先生が
「
何をしていても良い音楽会をしませんか?」とご提案くださいました。
思いつきの江原もそれは良い!と二つ返事でのりました。これがちびっこコンサー
トのはじまりです。
寝っ転がってもいいし、ピアノの下に潜り込んで全身で音を感じてもいい。ピア
ノを覗き込んでもいいし、踊っても、歌っても、寝ちゃってもいいのです。
バッハが奏でられている隣で、初めて出会った男の子同士が何やらヒソヒソ話を
したり、ハンガリー舞曲のテンポの揺れを、親子や兄妹で、走って止まって、ま
たバタバタして止まったり。
絵本の読み聞かせに夢中になっていると思ったら、手をかざして自分の影を知っ
たり。とにかく心の動くままに存在することができる時間になりました。しかし、
こちらが何も言わなくても邪魔する子供たちもいないし、困ったことにはならな
い。子供はすごい!と思うところは、こちらに支配しようという力がなければ、
それを跳ね除けようとはせずに、寄り添ってくれるのだと確信しました。
きっとそれが音楽の魅力、音楽のもとになるソルフェージの大切な力だと思いま
す。
(江原陽子)